美篶堂×いのちの木「本づくり学校」基礎科5期が始まりました!
2017年4月8日(土)、横浜の「いのちの木」で本づくり学校基礎科5期の最初の授業を行いました。
1年間、本づくりを一緒に学ぶ仲間には、栃木や福島、新潟から通う人もいます。
また、今期はブラジル出身の方も受講しています。日本の製本技術に興味があり、来日した際には、ぜひ学んでみたかったそうです。
まずは、オリエンテーションで1年間の授業の概要が上島先生より説明されます。
夏の製本合宿のこと、卒業作品となる絵本製本のことなど、期待と不安がふくらみます。
オリエンテーションの後は、さっそく実習です。
初日のテーマはA4サイズの「カルトン」です。
カルトンはデッサンやクロッキーをする際に画板として使われることもありますが、授業では2枚一組の「紙ばさみ」として使えるカルトンをつくります。
ちなみに「カルトン」の名前はフランス語の「carton(厚紙)」に由来するそうです。
美術に関わる方にはおなじみですが、自分で作ったことのある人は少ないのではないでしょうか。
表紙には製本用の布クロスを使いますが、その大きさはA3サイズよりも大きなサイズです。
広い面積に均一に糊を塗るのは難しいのですが、最初の授業でチャレンジすることには意味があります。
実は、基礎科の最後の授業は「コーネル装」の予定ですが、そのサイズもA4サイズです。
1年間の修行の成果を自分自身で確認して欲しいという思いが込められているのです。
講師の手元を間近で見るために、講師を取り囲むようにして生徒が集まる光景は、これからの授業でも繰り返される光景です。
講師の紙の扱い方、刷毛の動かし方に注目することが重要です。
最初から講師と同じように道具を使うことはできません。
しかし、何度も繰り返し練習していくうちに、基本の動作が皮膚感覚として身についていくのです。
慣れない作業ながらも、最後は全員、無事に完成することができました。
できあがったA4サイズの「カルトン」
さまざまな製本の技法を学んだり、材料を選んだり、絵本づくりのテーマに悩んだりの1年が始まりました。
文・写真:本づくり協会サポートスタッフ(R2)